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低用量ピルによるPMSのホルモン療法

ホルモンバランスを整えてPMSの身体的症状を和らげる

PMSの症状を訴えて婦人科を受診すると、多くのクリニックでは、低用量ピルなどのホルモン剤の投与を行います。これは、PMSの症状が月経前のホルモンバランスの乱れから来るものであると考えられているから。排卵前まで多く分泌されていたエストロゲン(卵胞ホルモン)が、排卵直後から生理前にかけてはプロゲステロン(黄体ホルモン)と分泌量が逆転することで、心身共にバランスを崩してしまうわけです。

そこで、低用量ピルなどのホルモン剤を服用すると、妊娠しているような状態に脳を錯覚させ、排卵を抑えることができます。排卵後に増えるプロゲステロンの分泌量も抑えることができるので、PMSの症状が緩和する、というわけです。

ホルモン治療は、低用量ピルの処方のほかに、プラセンタ注射によって行うこともあります。これは、プラセンタが持つ女性ホルモンの分泌量を調整する作用を利用する治療法です。

ホルモン療法によって期待される効果

精神的な不安定感を解消

PMSの症状である精神的不安定感は、エストロゲンの低下によって引き起こされると考えられています。

このようなことから,更年期の婦人のエストロゲンの低下は,不安やうつ症状の発症原因になる可能性が考えられ,更年期障害,PMSなどの基礎にある生物学的変化はドパミン,ノルアドレナリン,セロトニンの神経伝達系の調節機構が性ホルモンによって変化を受け,気分障害などの症状を引き起こすという考え方を受け入れやすくしている.

出典:更年期不定愁訴と抗不安 鳥居塚・溝脇・花輪 社団法人 日本薬理学会 2000
https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj1944/115/1/115_1_21/_pdf/-char/ja


こちらを参考にすると、PMSの精神的な症状は、ホルモン療法でエストロゲンを補うことによって、解決するということになります。女性特有の気分障害は、PMS以外の症状であってもホルモン療法で解決できる部分が大きいということなので、安定した心理状態を保つことが可能となるでしょう。

肌荒れやニキビの予防

PMSの症状を持っている方は、生理前にニキビや肌荒れに悩まされるという場合も多いようです。これも、美肌ホルモンと呼ばれている、エストロゲンが低下することが原因。そのためホルモン療法では、生理前の肌トラブルを解消する効果も期待できます。エストロゲンが増加することによって、お肌のキメが整い、肌の水分量は適切に保持されます。低用量ピルの中でも、男性ホルモンを活性化させないタイプのものが効果的です。

月経痛の軽減

排卵が抑制されると、激しい月経痛を訴えていた女性の痛みがほとんどなくなった、という研究結果があります。さらに、ホルモン剤の投与を中止したところ、また月経痛が現れたというところからも、ホルモン剤の影響は明らかです。低用量ピルで排卵を抑制することができれば、毎月の辛い月経痛からも解放されます。そして、月経による痛みがなくなることで、生理中のイライラをさらに抑えることができるでしょう。

ホルモン療法の特徴や治療内容

低用量ピルの処方

高血圧や糖尿病などの持病があるか、喫煙をしていかどうか、肥満ではないか、などを医師がチェックし、問題がなければ低用量ピルの処方を受けます。

低用量ピルは、1日に1錠服用する薬で、月経周期ごとに21または28錠が1シートにまとめられています。初めて服用する場合は3シート(3ヶ月分)ほどを処方されて、症状が緩和されるかどうかをチェックします。

治療に使われる低用量ピルの種類

PMSや月経困難症を改善する目的で処方される低用量ピルは、健康保険が適用されます。保険適用となる薬は現在、第一世代ピルの「ルナベルLD」、卵胞ホルモンが20㎍と超低用量ピルの「ルナベルULD」、黄体ホルモンの成分が新しい第四世代の「ヤーズ」など。症状や体質に合わせて処方されます。

それぞれの薬には、体質的に合う人と合わない人がいますし、副作用が出る場合もあるので、服用を始めたら体調に変化がないかどうかを確認します。

ホルモンに働きかけるプラセンタ療法

ホルモン分泌を調整したり、免疫力を高める効果が高いプラセンタを、注射で投与する治療法です。PMSのほか、月経困難症、更年期障害などの婦人科系トラブル、アトピー性皮膚炎や気管支喘息、関節リウマチなどの治療として選択されることもあります。

通常は週に1回から2回の投与ですが、症状によっては2週に1回や1ヶ月に1回で良い場合もあります。

ホルモン療法(低用量ピル)の副作用

吐き気・だるさ・頭痛を感じる場合がある

低用量ピルを服用すると副作用を感じる場合があります。吐き気・だるさ・頭痛・体重増加・乳房の張りなどの軽い「つわり」のような症状が見られます。これらの症状は ピルを飲み始めて1週目で全体の1/3程度の方が感じると言われています。しかしこれらの副作用は一時的なもので、飲み続けてホルモンが安定すれば症状が消える方も多くなっています。

ほとんどの方が1週間~2週間程度、最長でも10週程度で症状が落ち着く方が多いです。乳房の張りはもう少し長く、3ヶ月~6ヶ月程度続く方もいます。ただしこちらはあくまで目安なので、体質により副作用が強く出る方や、まったく副作用が無かったという方も多くいます。副作用をさらに小さくするには、毎日同じ時間に飲み続けることが重要です。

ピル服用中に不正出血

低用量ピルを服用開始後、しばらく飲み続けてホルモンが安定するまでは不正出血の症状が出る場合があります。特に1シート目は生理が終わらずに少量の出血が続くことがあります。しかしこれらの症状は通常1ヶ月以内に治まることがほとんどです。少なくとも1シート分は続けて服用しましょう。またピルの飲み忘れや薬の飲み合わせなどで、ホルモンの血液中濃度が下がると不正出血が起こる場合があります。

また体調不良などでピルが充分に吸収されていない場合も、出血が起こる可能性があります。このような場合は一度かかりつけ医に相談してみましょう。薬の飲み合わせなどは、薬局でも相談できますので、現在服用している薬があれば伝えておきましょう。

ピル服用で妊娠しなくなる

低用量ピルは別名「経口避妊薬」とも呼ばれます。低用量ピルには、卵巣から分泌される「黄体ホルモン」と「卵胞ホルモン」と同じ成分を化学合成したものです。このピルを毎日服用することにより、身体に排卵後と同じ状態を作りだします。

これにより脳下垂体が「妊娠した」と勘違いすることによって、排卵を起こすホルモンが止められます。実際には排卵されてないため、妊娠することがないのです。ピルを正しく飲めば、妊娠する確立は0.1%と言われています。この避妊効果はピルの服用を開始してから8日目以降に得ることができます。もし妊娠を希望するなら、ピルの服用をやめれば約1ヶ月以内に排卵が始まりますので問題なく妊娠することができます。

ピル服用中に風邪薬など飲んでも良いの??

ピルを服用中に、風邪をひいてしまったり便秘に悩んだり、旅行で酔い止めが必要なんてこともあるでしょう。

ピルは基本的に市販薬との飲み合わせに問題はないようです。
風邪薬、便秘改善薬、酔い止めなどピルと一緒に飲んでも作用が強くなったり、弱くなったりすることは基本的にありません。

しかし、風邪薬(解熱鎮痛剤)に「アセトアミノフェン」が含まれている場合は注意が必要です。

このアセトアミノフェンはどの風邪薬にも含まれているような成分なので、必ずしも避けなければならない成分ではありませんが、風邪薬とピルの効果どちらにも影響が出てしまう可能性があるようです。

ピル服用中はイブやロキソニンといった鎮痛成分配合の薬を使うようにすれば良いでしょう。

また、ピルの副作用には頭痛がおきる場合もあるので、耐えられない頭痛や慢性的な頭痛をもっているような人でも、イブやロキソニンであれば、副作用対策にもなるため常備しておく事をおすすめします。

処方薬(内服薬)の場合、抗生物質・抗炎症作用の薬を服用する場合は医師に相談しましょう。

ペニシリン系の抗生物質は、避妊効果が減少などの可能性が報告されているとのことです。

ステロイド(抗炎症薬)は、塗り薬であれば問題ありませんが、内服薬の場合はステロイドの作用が強まってしまう可能性があるようなので、医師に相談を必ず行いましょう。

ピル服用中にお酒を飲める?

アルコールがピルの効果に影響を与える事は無いようですが、肝臓へ負担をかけないよう飲みすぎには注意をした方が良いです。

目薬も大丈夫?

ピル服用していても、問題なく使えます。

サプリメントは?

最近流行りのプラセンタなどの市販で購入できる美容サプリメントであれば問題無いです。

しかし、美容クリニックなどで処方されたプラセンタはやめておいた方が良いでしょう。

なぜなら、薬と同じように処方されるもののほうが効果が強く、飲み合わせに影響が出てきてしまうためです。

サプリメントで意外とNGなのが、大豆イソフラボンです。
イソフラボンは女性ホルモンを補助するため、過剰摂取をしてしまうとピルに影響を及ぼす恐れがありますので、医師に相談を行いましょう。

あくまで、参考の一例ですので持病を持っている人はもちろんのこと、飲み合わせを気を付けないといけないという事を覚えておき、不安であれば遠慮なく医師へ相談してください。

ホルモン療法を行っているクリニック

池袋クリニック(低用量ピル)

豊島区池袋にある『池袋クリニック』では、低用量ピルを処方するホルモン療法を行っています。ピルによって排卵を抑制することでホルモン分泌を一定に保ち、月経周期も安定させることができます。こちらのクリニックでは、ルナベルLD・ルナベルULD、ヤーズの処方を行っています。

あゆみクリニック(低用量ピル)

千代田区神田小川町の『あゆみクリニック』では、PMSの治療法として、低用量ピルや精神安定剤、漢方薬などを処方することで対応しています。特に、第一選択として用いられているのが低用量ピルで、特に精神的な症状が強い方にはいろいろな薬を使用するよりも、まずピルの服用を勧めています。

成城松村クリニック(プラセンタ注射)

世田谷区の住宅街にある『成城松村クリニック』では、PMSの治療としてオーダーメイドのサプリメントを使用した栄養療法のほか、プラセンタ療法なども行っています。プラセンタのアンプルを1回2〜5アンプルほど注射で投与するだけの治療ですが、ホルモンのバランスを整え、免疫力を高めたり、炎症を抑える効果も期待できます。治療は1回2アンプル2,000円から受けられますが、保険適用ではありません。

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