これってPMSだから大丈夫…は危険です
倦怠感やだるさ、腰痛や頭痛、イライラや不安感など、PMSのような症状に悩まされる女性が増加しています。女性を取り巻く環境が変化し、ストレスを感じやすくなったり、食生活が変わってきたことなども理由に挙げられるでしょう。
PMSは近年になって症状を訴える患者さんが増えたことで定義された疾患ですが、その他にも女性がかかりやすい病気が増えてきています。PMSと同じような症状が表れるものも多く、混同しやすいので、その他の疾患についても学んでおきましょう。
女性に多い病気で、PMSのような症状が出やすいものをまとめてみました。「PMSなら月経が始まればおさまるだろう」と症状を放置してしまいがちですが、放っておくと症状が悪化してしまうことも多いので、注意が必要です。
うつ病は、気分が落ち込んでやる気が低下したり、ひきこもりがちになったりする精神的な疾患です。集中力がなくなったり不安感が強くなったりといった精神的な症状のほか、倦怠感や食欲減退、頭痛や腰痛など身体的症状が表れることもあるので、PMSと混同してしまうことがあります。気分がすぐれない状態が2週間以上続くようなら、心療内科などを受診することをおすすめします。
40代後半になると、閉経前でも更年期障害のような症状が表れます。のぼせやめまい、動悸や頭痛、抑うつやイライラ、気力の減退などのほか、疲労感や腰痛、腹痛などが起こることもあり、PMSとの判別が難しいと言われています。最近は、強いストレスを感じる女性が多いことから、30代の若い方でも若年性更年期障害に悩むケースが増えています。
甲状腺の病気のひとつであるバセドウ病は、20代と40代の女性に多い病気。甲状腺ホルモンが過剰に分泌されるもので、新陳代謝や体のあらゆる活動が高まってしまい、動悸や発汗、手の震え、焦燥感やイライラが強く出ることもあります。首が太くなり、眼球が突出してしまうことでも有名です。
バセドウ病と同じ甲状腺の病気ですが、バセドウ病とは逆の症状が表れます。自分の免疫機能によって自らの甲状腺を攻撃してしまい、炎症を起こしている状態で、中年女性に多く見られる病気です。甲状腺の機能が低下してしまって、顔や手がむくみ、便秘がちになったり、肌荒れや記憶力の低下が起こることもあります。
ホルモンを分泌する副腎という部分の機能が低下するもので、ストレスや慢性的な疲れが原因で起こります。主に副腎から分泌されるコルチゾールというホルモンが減少してしまうので、血糖値や血圧、免疫力が低下して病気にかかりやすいほか、うつ症状が出たり、集中力や記憶力が低下することもあります。男女問わず、働き盛りに置きやすい疾患です。
PMSのほとんどの症状は月経前の2週間ほどで現れることが多いもの。体のだるさや倦怠感、あらゆる場所の痛みやイライラなどの症状が、月経が始まってからも続いているようなら、PMS以外の疾患の可能性が高くなります。
症状がひどくなる時期を特定し、月経周期と当てはめてみて、周期と関係なく症状が表れているようなら、内科や婦人科などを受診してみましょう。