いまや女性の7割が抱えていると言われている、PMS(月経前症候群)。生理前の1週間くらいの間、頭痛や腹痛、倦怠感や胸の張りなどの体の症状だけでなく、イライラや憂うつなどの精神的症状があらわれることが多く、この時期は女性にとって本当に辛い時期ですね。
そんな辛いPMSの症状を軽くするために、低用量ピルや薬に頼ってしまう方も多いようですが、実は私たちの脳の中にあるセロトニンという神経伝達物質がPMS症状の改善に効果的とされているのです。
「しあわせホルモン」とも呼ばれるセロトニンは、私たちの体の調子を良くし、痛みをやわらげ、心を明るくする働きをしてくれます。そんなセロトニンの分泌を促し分泌量をあげることがPMS軽減に役立つとされているのです。

セロトニンは、人間の体や心を興奮状態へ導くノルアドレナリンやドーパミンを抑制し、体や心のバランスを整える働きのある伝達物質(脳内物質)です。
セロトニンを合成、伝達、分泌しているのがセロトニン神経系です。セロトニンをつかさどるセロトニン神経の働きが悪くなると、セロトニンの分泌が滞ってしまいます。
大脳皮質の活動を適度に抑えて維持するので、頭がスッキリとした状態になります。
また、平常心を保たせたり、情緒が乱れたり衝動的な感情になったりするのを防いでくれます。体に痛みがあるときも、痛みを無くするのではなく感じにくくする作用もあります。
セロトニンが増えていれば、体も心もストレスフリーな状態になるとされているのです。
セロトニンが減ると、精神のバランスが崩れて、イライラしたり怒りやすくなったりなどの精神症状を起こし、うつ状態にもなりやすいとされています。また自律神経の乱れにより、肩コリや首コリなども起こりやすくなります。
PMSの期間中の女性はセロトニンが減少しやすくなっています。原因は女性ホルモンのホルモンバランスの変化にあります。
その一つが黄体ホルモン(プロゲステロン)です。この黄体ホルモンは、妊娠を助ける作用があり、受精卵が子宮内膜に着床したり、妊娠が維持されるのを促します。しかし、黄体ホルモンが増加することにより、セロトニンが急激に低下してしまうのです。
また、もう一つの原因は卵胞ホルモンの影響です。卵胞ホルモンは、セロトニンの分泌を促進してくれますが、卵胞ホルモンが出にくくなるPMSの期間中は、セロトニンが減少しやすいのです。
しかし、PMSが及ぼす体や心の不調に対してセロトニンの働きがとても効果的とされており、麻酔のような鎮静効果があるとされています。PMSの辛い症状である、痛みやイライラなどを感じにくくしてくれるのです。また、PMSの女性に起こりやすいとされる機能性低血糖も、女性ホルモンとセロトニンに関係が深いとされているのです。

太陽光を浴びると、睡眠ホルモンであるメラトニンが減退し、脳を目覚めさせるセロトニンの分泌が促されます。
腹式呼吸をすることを心がけましょう。腹式呼吸はリズム運動を意識的に行うことができますし、深く呼吸をすることでリラックス効果があるとされます。
セロトニンは太陽光のある昼間に分泌されやすくなります。昼間に活動し、夜は睡眠を取ることがセロトニン神経を活発に働かせる大切な一歩です。
一定のリズムを刻む運動をするとセロトニンがよく分泌されます。
腹式呼吸もリズム運動に入りますし、ウォーキング、ジョギング、また食べ物を噛むこともリズム運動ですので、毎日心がけてゆくとよいでしょう。

電磁波の出る電子機器を触ったりブルーライトを見続けたりしていると、睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌されにくくなり、ホルモンバランスが崩れてしまい、セロトニンの分泌にも悪影響が起こります。
太陽光を浴びない生活ではセロトニンがうまく分泌されません。すると、体や心が目覚めないため、倦怠感や眠気が取れずに一日を過ごすということもあります。
不規則な食生活や過度なダイエットによって栄養不足になると、セロトニンが生成されるのに必要なトリプトファンが不足してしまいます。また、鉄不足では鉄欠乏性貧血を起こしたり、不規則な食事で血糖値が不安定になるなどのさまざまな弊害をもたらします。
一定のリズムを刻むリズム運動をしないと、セロトニン神経系の働きが弱くなり、セロトニンが分泌されにくくなる可能性があるようです。
つらいPMS症状を軽くしてくれる大切な神経伝達物質、セロトニンの働きについて検証してきました。
PMSの痛みやダルさ、憂うつ状態を軽くしてくれる働きを最大限に引き出すためには、太陽光を浴びることによってホルモンバランスを整えたり、規則正しい生活や運動を心がけることが大切なのです。その反対に、スマホの見すぎや乱れた食生活は避けるようにしてくださいね。
わたしたちの体に備わっている、しあわせホルモンのセロトニンを味方につけて、憂鬱なPMSを乗り切りましょう。