むくみや肌荒れが酷くなる、腹痛などが起こる……など。人によって痛みや不快感に違いはありますが、中には仕事や日常生活をする上で支障が出てしまうという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これらの身体的症状や精神的症状が重く、日常生活・社会生活に支障をきたしてしまうような方は、PMS(月経前症候群)という病気かもしれません。
PMSの治療は主に低用量ピルが使われています。しかしピルには「何だか怖い」、「副作用で太ったりするのが嫌だ」といった印象をお持ちの女性もたくさんいらっしゃると思います。今回はPMS症状に低用量ピルが効果的な理由と注意事項についてご紹介したいと思います。

女性ホルモンは、「エストロゲン」と「プロゲステロン」に分けられています。
エストロゲンは、生理が終わってから排卵期までの女性がイキイキと過ごせる期間に分泌されるホルモンで、卵胞ホルモンとも呼ばれています。このエストロゲンが体内に分泌されると子宮内膜が厚くなり、妊娠をするための準備を行います。エストロゲンが分泌されている期間を卵胞期といいます。この期間は、比較的肌のトラブルが少なく、精神的にも安定して過ごせる期間であるとされています。
卵胞期の後に排卵が起こるのですが、ここでエストロゲンの分泌が減少していき、もう1つの女性ホルモンである、黄体ホルモンのプロゲステロンが分泌されます。このプロゲステロンが多く分泌される期間を黄体期と呼びます。生理前2週間ほどの期間に当たります。
プロゲステロンは妊娠をしやすくするためのホルモンです。プロゲステロンの急激な分泌により、眠気やイライラ・むくみ、腹痛や、過食などの女性にとって、辛い症状が出やすくなってしまうのです。
黄体期になると、個人差はありますが日常生活に支障をきたすほどの重い、PMSが起こると考えられています。PMSの治療に使われる、低用量ピルにはエストロゲンとプロゲステロンに似た物質が含まれており、低用量ピルを服用することによって、体内に女性ホルモンが常に存在するという状態になります。
すると脳は、「ホルモンを体内で分泌しなくてもいいのだ」と勘違いをして、排卵をストップさせます。排卵がストップすることによって、プロゲステロンの急激な分泌がなくなり、PMSの症状が軽減されるのです。ピルは体内の女性ホルモンのバランスを安定させることによって、PMSの症状を軽減することができるのです。

しかし日本では、低用量ピルの服用率がおよそ1%と低いのが現状です。
ピルと聞いて「副作用が怖い」や「太るのではないか?」というイメージを持っている方が多くいらっしゃいます。しかし、PMSの治療で使用される低用量ピルは、ホルモンの含有量をぎりぎりまで減らし、副作用はほとんど起こりにくくなっています。
低用量ピルは排卵をストップさせますが、これはピルによって、卵巣を休ませているのです。現代の女性は以前の女性に比べて、妊娠・出産の回数が減っており、生理の回数が以前の女性よりも多く、卵巣を酷使しているとされています。
低用量ピルを服用することによって、ホルモンバランスが整えられますし、酷使しているとされる卵巣を休ませることができます。もちろんピルの服用をやめれば妊娠は可能です。実際にピルを服用してみて、今までのPMSの症状は何だったのか?とビックリするほど症状が軽減される方もたくさんいるのです。
低用量ピルはPMSの症状の軽減だけではなく、月経困難症や子宮内膜症にも効果があるとされています。
月経困難症は子宮内膜の収縮によって引き起こされるのですが、低用量ピルを服用し卵巣を休ませる事により、この収縮がほとんどなくなるため、出血量が減り、痛みも楽になるといわれているのです。
生理不順の治療でも低用量ピルは使われています。生理が遅れたり・早まったりして予定を立てるのが大変……という女性も多いのではないでしょうか?
低用量ピルを飲んでいれば、生理周期を安定させることができますし、生理を早めたい・遅らせたい時も調節方法として活用できます。
生理前にできるニキビは、ホルモンバランスの乱れが大きな原因と言われています。低用量ピルを服用すると、ホルモンバランスが整うので、ニキビができにくくなる・肌のキメが整うなどの効果が期待されます。
低用量ピルは、排卵をストップさせるので避妊薬としても効果があります。正しい飲み方をしっかりと守っていればほぼ100%の避妊効果が得られます。避妊に関して、女性はどうしても受身になる可能性が高いのですが、ピルを服用していれば安心です。
ですが、HIVや性感染症などの感染を防ぐことはできないので、コンドームなどでしっかり予防対策をすることが大切になってきます。
ピルは毎日決まった時間に服用することで効果が発揮されます。まずは、ピルを飲み忘れないことが大切です。ピルには治療薬21錠のタイプ、治療薬21錠に偽薬が7錠入った28錠のタイプがあるのですが、ピル初心者の方には飲み忘れを防ぐためにも、毎日服用する偽薬の入った28錠タイプのものがオススメです。毎日飲むことを習慣にしていってくださいね。
また、飲み忘れてしまった場合や不正出血などのトラブルがあった場合は、必ず受診した病院へ問い合わせや受診する事が大事です。自己判断でピルの使用を中止したりしてしまうと、せっかく飲んでいたピルの効果がなくなってしまう場合があるので、必ず婦人科・産婦人科・女性外来など専門の病院やクリニックで医師の判断を仰ぎましょう。

PMSに低用量ピルが効果的な理由と注意事項についてご紹介いたしました。
低用量ピルにはPMSの改善の他にも、女性にとって嬉しいメリットがたくさんあります。サプリメントを服用する感覚で内服できる手軽さもあります。毎月辛い思いをしている方は、ピルの効果やメリットを体感できることと思います。毎月、PMSによって仕事の効率が落ちてしまう方、人に当たってしまうなどでお悩みの方は、PMS対策としてピルの服用を前向きに考えてみてはいかがでしょうか。